フリーローンは借入方法のひとつです。キャッシングやカードローンもフリーローンの種類に入りますが、元々は銀行の限定的な商品として取り扱われていました。
従来のフリーローンの性質は、何度も借入できるキャッシングやカードローンと異なり、一度だけの借入となります。借入にも条件が定められることが多いため、人によっては不便を感じるかもしれません。
ただ、計画的な借入、返済を考えると、フリーローンも大きなメリットを持っています。より安心できるマネーライフを考える時、フリーローンを選択肢に入れることも賢くおトクな方法ですよ。
キャッシングやカードローンもフリーローンの分類になる昨今ですが、今回は主に銀行が提供するフリーローンに限って見て行きましょう。
フリーローンの性質として、以下のような特徴が挙げられます。
フリーローンの借入は一回のみです。キャッシングやカードローンは、限度額内であれば何度でも借入ができるのですが、フリーローンの場合は初回に必要な金額を全額借入するのみとなり、後は返済に専念することになります。
様々な銀行が提供するフリーローンですが、中には使途が定められているものがあります。ブライダルローンや教育ローンなどが有名でしょう。ただ、多くの銀行では使途自由の商品を用意していますので、必要なものを選べます。
最も注目したいポイントは、限度額が高く設定されるケースが非常に多いということです。
キャッシングやカードローンよりも高額に設定されやすいため、まとまった金額が必要な時には心強い味方になってくれますね。
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高額が借りられるならぜひ!となっても、融資スピードを考えるとキャッシングやカードローンの方が良い時もありそうです。と言うのも、銀行のフリーローンはスピード融資が期待できないからなのです。
以前は銀行でも即日融資の商品はあったのですが、現在は審査をより厳しく行うようになったため、どんな商品でも即日融資は無理となっています。
特にフリーローンをはじめ、高額が関わる融資商品の場合、最短でも数日、長ければ数週間の時間が必要だと考えておいた方が良いでしょう。商品によっては提出書類も多いので、手軽に利用できると考えるべきではなさそうです。
フリーローンはどのような人に向いているのでしょうか。場合によってはキャッシングやカードローンの方が向いていることもありますので、改めてチェックしてみて下さい。
フリーローンは以下のような考えがある人にお勧めです。
フリーローンの特徴として、「1回限りの借入で高額融資を受けられる」というメリットがあります。まとまったお金を一気に利用したい人には向いているでしょう。対して小口融資はキャッシング、カードローンが適しています。
そして先にもご説明しましたが、審査に時間がかかるという特徴もあります。今すぐお金が必要だ!と言う人には向かず、逆に「時間をかけても大丈夫」と言い切れる人に最適でしょう。
フリーローンは使途自由な商品が多いため、様々なことに利用できます。キャッシングの返済で困った時にも、審査に通過さえすれば、借り換えや一本化資金として使っても問題ないのです。
フリーローンはキャッシングやカードローンのような小口融資よりも金利が低く、まとまった金額を借りやすいため、借り換え、一本化にはうってつけです。
返済計画を見直し、おトクに返済したい時には利用を検討しましょう。
ただし、商品によっては、フリーローンでも借り換え・一本化に利用できないものがあります。利用できないものは商品概要に記載してありますので、申し込み前に必ずチェックしておきましょう。
自営業者はまとまった金額が必要になる局面も多いでしょう。会社の運転資金、事業性資金と呼ばれるものを用意したい時にはどうしていますか?フリーローンは利用できるのでしょうか。
結論から言ってしまうと、銀行のフリーローン商品の中には、事業性資金に使えるものがほとんどありません。使途自由となっていても、ビジネスに流用することは認めないという銀行が多いのです。
その代わり、自営業者に向けたビジネスローン商品が提供されています。どの銀行でもほぼ取り扱っていると言って良いでしょう。事業性資金が必要であれば、フリーローンよりもビジネスローンが適していますね。
また、銀行にこだわらず、信用金庫から融資を受けると言う手もあります。
信用金庫は地元の中小企業、個人事業主に対して積極的な融資を行っていますので、必要になった時にはぜひ相談してみて下さいね。
お金を借りるなら必ず目的がありますよね。目的によって、フリーローンとキャッシング、カードローンを選択するべきです。選択を間違えると思わぬ不便を感じたり、金利面で損をしてしまうかもしれません。
フリーローンとキャッシング(カードローン)の違いを比較してみましょう。
項目 | フリーローン | キャッシング カードローン |
---|---|---|
金利 | 低めに設定されている | 高めに設定されている |
利用限度額 | 高額 | 低額 |
借入方法 | 銀行口座への振込 | 銀行口座への振込、専用ATM、提携ATM等多数 |
返済方法 | 口座振替 | 口座振替、指定口座への振込等多数 |
特徴 | ・審査に時間がかかる ・1度きりしか借りられない |
・審査にかかる時間が比較的短い ・限度額内で何度でも借入できる |
フリーローンの特徴としては、やはり金利面でおトクだと言う点でしょう。
低金利で高額借入が可能なため、長期間の返済でも利息が膨らまずに済みます。
比較すると金利面ではイマイチな印象を持ってしまうキャッシング、カードローンも、審査がスピーディ、借入や返済方法が豊富といった利便性の点ではフリーローンよりも優れていると言えます。
あなたが借りたい金額や利用シーン、返済計画や借入頻度を考えて、フリーローンにするか、それともキャッシングやカードローンを利用するかを決定していくと良さそうです。
いざフリーローンを利用するとなっても、数ある銀行の中からひとつだけを選ぶのは大変です。初心者は大手銀行の商品を狙ってみるのも良いのではないでしょうか。
大手銀行の商品を利用するメリットは、店舗数が多いため、足を運びやすい、または営業地域関連の利用制限がかからないということが考えられます。
営業地域以外に通勤、または居住していないと、その銀行の商品を利用できないという縛りがあるのが銀行のネック。大手銀行ならその心配はほとんどありません。
そして大手銀行の強みは、やはり低金利、高額融資を実現しやすい企業力です。中小銀行ではとても無理な商品でも、大手ならではの企業力、資金力で実現しています。
大手銀行と言えば、日本三大メガバンク。その中の二行、みずほ銀行と三井住友銀行では、多目的ローン、フリーローンという商品名で使途自由のフリーローン商品を提供しています。
商品名 | みずほ銀行多目的ローン | 三井住友銀行フリーローン |
---|---|---|
金利 | 5.875%~6.6% | 5.975% |
利用限度額 | 10万円以上300万円以内 | 10万円以上300万円以内 |
特徴 | みずほ銀行の証書貸付ローン利用中、または過去に利用していれば金利1%引き下げ | 三井住友銀行の住宅ローンを利用中、金利3%引き下げ |
限度額そのものは消費者金融のキャッシング等でも実現できそうな金額なのですが、何と言っても金利に目が行きますね。最大でも6%台後半です。計画的、かつおトクに利用しやすい商品でしょう。
また、どちらの商品も自行の対象ローンを利用している(みずほ銀行は過去に利用経験があればOK)人に対しては、更に低い金利を適用しています。
条件にあてはまる人はぜひチェックしてみて下さいね。
店舗を持たないネット銀行なら、営業区域に関係なく申し込むことができます。
人件費や店舗家賃のような固定費が節約できるため、金利面でのサービスが期待できるというメリットがあります。
イオン銀行、ジャパンネット銀行からリリースされているフリーローンは、ネット界隈でじわじわと人気を集めています。
商品名 | イオン銀行フリーローン | ジャパンネット銀行フリーローン |
---|---|---|
金利 | 3.8%~13.5% | 14.75%~17.75% |
利用限度額 | 10万円以上700万円以内 | 10万円以上200万円以内 |
特徴 | 利用限度額が高額 | 他のローン商品と合わせて1,000万円まで融資可能(要審査) |
イオン銀行は限度額が高額であることが特徴で、そして最大のメリットです。メガバンクの商品よりも高額融資が可能なので、利用目的によって大きな魅力が感じられることでしょう。
ジャパンネット銀行は限度額こそ200万円と低いものの、同行の他商品と合わせて1,000万円まで融資が可能だという特徴があります。同時にローンを通すのは本来難しいものなのですが、これなら多彩な使い方ができそうですね。
フリーローンは借入が1回のみで、後は返済だけを続けていくことになります。これは毎月出て行く金額が安定することに繋がるため、家計管理に大いに役に立つのではないでしょうか。
キャッシングやカードローンのメリットである、繰り返しの借入はできませんが、返済の安定性はフリーローンが勝っていると言えます。ですが、金利面、限度額面では、フリーローンの方が魅力を感じます。
利便性が高いキャッシングやカードローン、利便性よりも安定性に重点を置いたフリーローン。いずれも人によってメリット、デメリットが違うはずです。目的によって使い分けていきましょう。