お金を借りる前には考えない人がほとんですが、最悪のケースを想定する人なら一度は思いを馳せるのが「返済ができなくなってしまった時」のこと。人生は何があるか分かりませんし、もしかするとそんなこともあるかもしれません。
キャッシングやカードローンの返済が行き詰まり、返済のために別の会社からまた借りなければ…となってしまうのなら、あなたが取るべき道は債務整理だと言えるでしょう。
債務整理をすると人生が滅茶苦茶になる!と思うかもしれませんが、実際はそこまでではないものです。借金で生活が破綻する前に、一度勇気を出してみませんか?
債務整理を真っ先に考えるなら、いわゆる多重債務の状態になっている、あるいはなりそうなタイミングが最も適しているでしょう。できれば多重債務状態になる前の決断が望ましいとも言えます。
複数の会社から借金をしている状態は、金額の大小に関わらず、多重債務者となります。もちろん、確実に返済できるのであれば問題ありません。
問題なのは「A社からの借金返済の資金をB社から借入する」という、自転車操業になってしまっている多重債務の状態で、この状態に陥った多くの人が、つらい返済に毎月悩まされているのです。
また、現状では多重債務者になっていないとしても、近いうちに返済資金のための借金をしてしまいそうだと考えている人は、潜在的な多重債務者であり、早急に返済計画を見直す必要があると言えるでしょう。
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多重債務状態であっても、自分の収入や返済計画がしっかりしていれば大丈夫!と考えている人もいることでしょう。しかし、まずは考えてみて下さい。多重債務状態は思った以上のストレスが発生するはずです。
一度だけ、今度だけ、とA社への返済のための資金をB社から借り続け、結局は状況が何も変わらないどころか、B社から借りた利息分が更にのしかかってきます。
多重債務はあくまで一時しのぎと考えていても、本当は一時しのぎにすらなっておらず、ただただ借金が増えて行くだけということになってしまいますよね。
もう返済は無理だ、今回だけB社から借りよう!と一瞬でも思ったら、あなたは今の借金を整理する段階に来ていると考えて良いでしょう。むしろこのタイミングが最後のチャンスと言っても過言ではありません。
借金を整理するなんて信用情報に傷がついてしまう…と躊躇う人もいるかもしれませんが、実は多重債務状態も立派に信用を落としている状態なのです。
今後は融資しない!というブラックリストになるわけではありませんが、金融業者が警戒するには充分な状態だと考えられます。先々で新たな融資商品を利用したくなっても、審査に悪い影響が出る可能性が高くなるのです。
返済に困っている、困りそうだ、と思った時こそ、債務整理をするタイミングです。躊躇ってしまいそうですが、他社に新たな借金を申し込むよりも、ずっとハードルが低いものです。少しだけ勇気を出してトライしてみませんか?
こんな時にはまず、キャッシング会社や銀行が提供している、借金整理のための商品を利用できるかどうかを考えましょう。
審査に通過すれば、多重債務状態の借金を一本に、短期間でまとめることができます。
民間の商品の審査に通らない…ということになると、事態は少し面倒です。即時の解決は難しいのですが、法的な債務整理を行うべき状態になっているということになるからです。
キャッシング会社や銀行が提供する借金整理用の商品は、一般的に「おまとめローン」等の名称で知られています。商品名は各社によって違いますが、公式サイト等に分かりやすい案内がありますので、チェックしてみて下さいね。
また、民間の商品を利用せず、最初から法的整理に進んでも問題ありません。その時の状況をよく考え、ベストな方を選ぶべきでしょう。
民間の借金整理用の商品(以下おまとめローン)は、利用者の返済状況を改善し、最終的に完済を目指すという目的で提供されています。しかし、誰でも利用できるわけではないということを覚えておきましょう。
メリット | 複数の借金を1本にまとめることができる 金利が低くなる 即日融資ができる商品もある |
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特徴 | おまとめローンは総量規制の対象外 金利が高い商品から低い商品への借り換えとしても利用できる |
メリットとしては、複数の借金にそれぞれかかっていた金利が1本にまとめられるため、月々の利息が楽になるということです。審査が速い商品も多いので、法的な債務整理よりもストレスから解放される期間が短くなるでしょう。
また、おまとめローンは総量規制の対象外です。おまとめローンはいわば新たな借金となるわけですが、総量規制を気にすることなく申し込めます。
多重債務者ではなく、1つの借金しかないとしても、「金利の高い商品から低い商品への借り換えのために利用できる」という点も特徴です。もちろん総量規制は無関係となります。
借り換えを含むおまとめローンは、貸金業法に定められている「利用者が一方的に有利になる借り換え」に該当し、通常のキャッシング・カードローン商品よりも、利用者への救済性が非常に高くなっていることが最大の特徴です。
要は「利用者が得をする」特徴があるわけです。返済を楽にしたいと考えているのなら、やはり前向きに利用を検討するべきものではないでしょうか。
とはいえ、デメリットも存在します。まず、おまとめローンの審査は非常に厳しいものとなっています。通常の商品の審査よりも厳しめだと思っておいた方が良いかもしれません。
特に過去に返済事故(遅延、延滞等)を起こしていると、それだけでマイナスの印象を持たれてしまうことでしょう。早めの借金整理をお勧めするのはこれが理由です。
返済に困り、遅延、延滞等の返済事故を起こす可能性を考え、審査に通りやすいうちに申し込むべきなのです。
また、おまとめローンは金利が下がるわけですが、返済期間を長く設定することがほとんどです。これにより、最終的には返済した利息の総額がかなり高くなってしまっていることも考えられます。
そして最大の特徴としては、新たな借金をしやすい状態になってしまうということです。おまとめローンを利用している最中でも、返済態度に問題がなければ、再びお金を借りられる可能性が高くなるのです。
借金返済に困っておまとめローンを使ったのに、新たな借金をしてしまっては本末転倒です。もし審査に通って現状の借金が楽になっても、今後しばらくは金銭的に自分を厳しく制することを忘れないようにしたいものです。
キャッシング会社や銀行のおまとめ商品ではなく、法的な債務整理を行うこともできます。おまとめ商品が利用できない人は、法的な債務整理しか手段がないとも言えます。
法的に借金を整理する場合、以下の数種類の中から、自分の状況に合わせた方法を選ぶことになります。
名称 | 内容 | 借金の取り扱い |
---|---|---|
任意整理 | 裁判所を通さない手続きとなる 利用者と業者との話し合いが行われる |
話し合いの結果による ・月々の返済額の減額 ・借金総額が減算されることもある |
個人再生 | 裁判所を通した手続きとなる | 民事再生法に基づいて判断される ・借入総額を減額(圧縮)する ・圧縮後の金額を基本3年で返済する |
自己破産 | 裁判所を通した手続きとなる | 支払い義務がなくなる(免責) ・ただし免責されない内容の借金もある |
個人で対応しやすい整理方法としては、まず任意整理が挙げられます。こちらは裁判所を通さずに手続きを行えます。業者との話し合いをし、借入総額の減額や、月々の返済金の減額を目指すことが目的です。
個人再生は裁判所を通す手続きです。民事再生法に則った内容となり、借入総額を減額(圧縮)した上で、基本的に3年間での完済を目指すことになります。少々複雑なため、弁護士に依頼する人も多い方法です。
自己破産は最も有名な債務整理方法かもしれません。裁判所を通し、全ての借金の支払い義務をなくす(免責)という整理内容になります。ただし借金の内容によっては免責されないこともあります。
任意整理、個人再生は、個人で行う人も多い整理方法です。もちろん弁護士や司法書士といった専門家に頼んでも差し支えありませんし、その方が手間がかからなくて済むでしょう。都合の良い方法を選びましょう。
任意整理と個人再生のメリットとしては、何と言っても負担が減り、完済を目指しやすくなるということです。
いずれも話し合いや裁判所を通した手続きにより、返済総額や金利、月々の返済額が減ることになります。自己破産を考えるほどではないが厳しい、という時に利用すると良いでしょう。
個人再生には返済期限があります。最長で3年を目途として返済を続けていくことになります。元々の多重債務状態よりもかなり楽な返済となるはずですので、誠意を持って確実に返済できるように努力する必要がありますね。
また、高金利の借金を長期間返済し続けていた人は、過払い金が発生している可能性があります。これは2018年現在、過去8年以上、同一の借金を返済し続けている人が対象です。ぜひ一度チェックしてみて下さい。
メリットがあればデメリットもあります。任意整理や個人再生のデメリットとしては、信用情報機関に債務整理の情報が登録され、今後の新規借入の審査に影響が出やすいということでしょう。
自己破産は借金の整理の最終手段だと言えます。ほぼ全ての借金から解放されることになるという性質上、裁判所での手続きは煩雑なものとなっています。ほとんどの人が自力ではなく、専門の弁護士に依頼するようです。
ショッピングやギャンブルの借金は免責されないと言う噂がありますが、不真面目な態度を取らず、今後一切借金をしないという意思があれば、実際には免責されることが多いようです。
しかし、やはり免責されない内容もあります。
税金や罰金、賠償金等の法的な内容が絡むお金に関しては、自己破産の免責後も支払い続ける義務が課せられます。
また、デメリットとしては、一定期間の間は士業や保安系の仕事に就けないこと、官報に自己破産履歴が掲載されるという点が挙げられます。
職業に関しては、一定の期間が過ぎれば再び自由に選ぶことができます。しかし官報の記録は、信用情報機関と違い、削除されることはありません。この点を気にしてしまう人もいるかもしれませんね。
とはいえ、官報は一般的な生活を送っている人にとって縁遠い存在です。滅多なことではチェックするものでもありませんし、自己破産の記録が知人や友人、会社の人に知られることはまずないでしょう。
任意整理、個人再生、自己破産は、いずれも現状の苦境を高い確率で救ってくれる法的な借金整理方法です。生活を立て直したければ、検討するべき時にはしてみるべきだと言えるのではないでしょうか。
返済に行き詰って新たな借金をするくらいなら、早い段階で借金を整理してしまうことが一番です。借り換えやおまとめローン、人によっては任意整理や個人再生、最終手段は自己破産です。
いずれも開き直って利用するべきではないものですが、利用を制限される謂れもない、法に則った借金整理方法です。目的は借金から感じる過大なストレスを減らし、生活を立て直すものですので、必要と思ったらぜひ利用して下さい。
実際に手続きをする時、様々な悩みやトラブルに直面するかもしれません。しかし必ず相談できるスタッフや弁護士、法に詳しい人がいます。苦しいと感じた時、勇気を出して相談してみましょう。