海外では広く普及しているデビットカード。地域によってはクレジットカードよりも利用率が高いと言われています。日本でも利用者が増加傾向にあり、注目している人も多いのではないでしょうか。
デビットカードは審査不要ですぐに所持できるカードであり、ショッピングで便利に利用することができます。クレジットカードが持てない人にも最適です。
楽天銀行をはじめ、近年では大手の銀行が続々と参入しているデビットカードですが、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
デビットカードはクレジットカードやキャッシングカードと違い、「銀行口座から瞬時に決済し、引き落とされる」という性質を持ちます。店頭での利用方法はクレジットカードと同様ですので、特に悩む必要はないでしょう。
デビットカードは銀行と決済ブランド(VISA、Master、JCB、アメックス等国際ブランド)が提携した商品です。
クレジットカードのように信用で前借りする性質ではなく、銀行口座の残高の範囲内のみで利用できますので、お金の使い過ぎを防ぐことができます。
店頭での決済と同時に、デビットカードに紐づけられた銀行口座から引き落とされるため、借金をするということにはなりません。現金払いとほぼ同様の性質だと考えて差し支えないでしょう。
利用金額が口座の残高分を超えた場合には利用ができない、店舗によっては不足分を現金で支払うなどの方法があります。
デビットカードの最大の特徴として、クレジットカードと違い、審査が行われずに発行されるという点です。あの面倒な審査がないというだけで、かなり魅力的に感じられますね。
審査不要でデビットカードが持てる理由としては、クレジットカードのように前借という形にはならないこと、銀行口座にある金額分しか利用できないため、万一のことがあっても銀行側に損害が出ないことが挙げられます。
中には、過去に債務整理や自己破産などの金融事故が原因で、信用情報が傷つき、クレジットカードやキャッシングカードを持てない人もいるでしょう。
しかし現金払い同様のデビットカードであれば、本人の返済能力、支払い能力を超える危険性がないため、審査なしで発行することができるのです。
金融事故のためにカードが持てなくても、デビットカードなら安心ですね。
デビットカードのセキュリティはかなり高く、本人がすぐに分かるケースが多いシステムになっています。クレジットカードだと明細が届くまで分からないケースでも、デビットカードならすぐに分かります。
各銀行が発行しているデビットカードの多くは、利用後、登録メールアドレスに即時(あるいは翌日)に利用内容が通知されます。これにより、紛失や盗難による不正利用の被害を高い確率で防ぐことが可能です。
万が一不正利用をされてしまったら、すぐに専用窓口へ連絡しましょう。24時間受け付けていますので、すぐにベストな対応をしてもらうことができます。
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デビットカードのメリットは数多いのですが、特に信用情報に自信がない人、回復を目指す人には嬉しいポイントがあります。クレジットヒストリー、つまり信用情報の回復に、デビットカードは大いに役に立つ一面があるのです。
デビットカードの利用履歴は、基本的に信用情報機関に登録されるものではなく、何度利用しても信用情報機関に登録された情報が上書きされることはほぼありません。
信用情報機関に登録されるのは、デビットカードの場合にはマイナス情報ばかりです。しかし、利用しているデビットカードの発行元の銀行の社内情報ならそうとも限りません。
継続した利用、残高不足を起こさない安定した利用により、銀行内でのあなたの信用が積み重ねられていくことになるのです。
ただ、既にその銀行に多額の借金があり、返済中であったり、あまつさえ返済事故を起こしているのであれば期待できないと考えておきましょう。基本的に審査不要ではありますが、最低限の情報照会は行われるため、必ず判明します。
銀行内での信用が上がるということは、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。特に金融事故を起こした人は必見です。
つまり、信用情報機関に登録されている事故情報が消える年数を待つことなく、デビットカードで築いた信用により、その銀行のカードローン商品や他の金融商品などが利用できる可能性が生まれるのです。
決して確実とは言えない可能性ですが、マイナスだった可能性がプラスになるというメリットが、デビットカードにはあるということになります。
例えば銀行カードローンが利用できるようになったとしても、利用可能額は非常に低いものになるでしょう。しかし、その低額を借入し、確実に、誠実に返済を行えば、今度は信用情報にプラスの情報が登録されるようになります。
結果として、他の銀行のカードローンや、消費者金融のキャッシング、ショッピングクレジットに申し込めるまでの信用を築き上げられるかもしれません。
使い過ぎは絶対にNGですし、堅実な返済計画が過去以上に必要となりますが、信用情報はお金のことだけではなく、社会的な信用にも繋がります。あなたの人生のためにも、デビットカードを効果的に利用していきませんか?
クレジットカードではよくあるポイント還元。利用金額に応じ、現金同様に使えるポイントが獲得できるサービスで、今やクレジットカードの常識とも言えるものです。
ポイント還元はクレジットカード独特のサービスだと思われがちですが、実はデビットカードでもポイント還元サービスを採用している銀行があるのです。
デビットカードのポイント還元率は、クレジットカードの平均的なポイント還元率よりも低くなっています。これはクレジットカード独特の分割払い手数料などがなく、銀行側の利益が少ないため、仕方がないことでしょう。
でも、金融事故でデビットカードしか持てなくなってしまった人でも、これならおトクな気分を味わえますよね。どの銀行のデビットカードがポイント還元をしているのか、次項から詳しく見ていきましょう。
日本で最初にデビットカードを提供したのはスルガ銀行ですが、今では多くの銀行が手掛け、利用者のニーズに合わせて進化しています。ポイント還元もそのひとつ。ここでは還元率を比較してみましょう。
名称 | ポイント還元率 | 決済ブランド |
---|---|---|
楽天銀行デビット | 1% (楽天スーパーポイントで還元) |
VISA、JCB |
イオン銀行デビットカード | 0.5% (ときめきポイントで還元) |
VISA、JCB |
三菱UFJ-VISAデビット | 0.2% (キャッシュバックで還元) |
VISA |
今回ご紹介するのはこの3つです。他にも多くの銀行がデビットカードを発行していますが、まずは有名なこの3つをチェックしてみましょう。
楽天銀行デビットは、ポイント還元率が群を抜いて高いことに注目です。クレジットカード並の還元率と言っても良さそうです。
ポイント還元は楽天スーパーポイントになりますが、楽天系列以外でも、電子マネーの楽天Edyにチャージして利用できるため、ほぼ現金でのキャッシュバックだと言えます。
イオン銀行デビットカードの還元率は0.5%で、デビットカードの中ではまずまず、どちらかと言えば高い還元率です。イオンのポイントサービス「ときめきポイント」での還元になります。
ときめきポイントはイオン系列で使える電子マネーWAONに交換するだけではなく、イオンidにチャージすることにも使えますので、携帯キャリアがドコモの人であれば、やはり現金同様のキャッシュバックだと言えるでしょう。
最後の三菱UFJ-VISAデビットの還元率は0.2%で、これはデビットカードの中でも低い還元率です。還元方法はキャッシュバックになります。
ポイント還元率を取るか、銀行内部の信用を取るかはあなたのライフスタイル次第です。しっかりした管理ができるのであれば、複数持つのも悪くないかもしれませんね。
デビットカードのメリットは様々で、とても使いやすい便利なものであることが分かります。しかし残念ながら、デメリットがないとは断言できません。人によっては不便なシーンに直面することもありそうです。
デビットカードはほとんどの支払いに利用できるのですが、高速道路の通行料金の支払いや、一部を除いたガソリンスタンドでの利用ができないことになっています。
利用不可 | 理由 |
---|---|
高速道路 | 一部でデビットカードの決済システムを導入していない |
ガソリン給油 | 給油完了まで正確な料金が分からないため、残高不足を起こす可能性がある ※ただし一部のガソリンスタンドでは対応可能 |
高速道路の支払いシステムの一部で、まだデビットカードに未対応の場所があります。利用時に混乱することになり、トラブルが予測できるため、銀行側が使えないように設定しているのです。クレジットカードが恋しくなる瞬間ですね。
ガソリンの給油は、実際の給油料金が銀行口座の残高を上回る可能性があります。つまり残高不足になるかもしれないのです。そのため、デビットカードの支払いを採用していないガソリンスタンドがほとんどなのです。
ただ、一部のガソリンスタンドでは、後日郵送する振込用紙で不足分を支払うことができます。これはガソリンスタンドによって異なる対応ですので、利用前に店員さんに確認する必要があるでしょう。
デビットカードは紐づけた口座にある残高分での買い物が可能です。当然のことですが、クレジットカードのような分割払いをすることができません。
残高以上の買い物ができない、分割払いができない以上、その時の残高で支払いをするしかありません。ここでもクレジットカードが恋しくなりそうです。
中には、緊急の医療費の支払いなどで残高以上の支払いが必要になるかもしれませんよね。デビットカードに対応している病院も増えていますが、こんな時には非常に困ります。
医療費などの緊急の支払いをデビットカードで行いたい、でも口座の残高不足である…と言う時には、まず会計時にスタッフさんに相談してみましょう。多くの病院で救済方法を提示してくれます。
また、総量規制によって消費者金融や銀行から借入ができなくなっているためにデビットカードを使っている、と言う人は、医療費に関しては「例外・除外」のケースにあたり、審査次第では借入が可能ですので、諦めないで下さいね。
デビットカードはクレジットカード以上に、多くの人が利用できる存在です。銀行が発行しているということも安心材料になりますね。クレジットカードを使いたくない、あるいは使えない、という立場の人にも便利なものです。
普段はデビットカードで現金払い感覚で使い、しっかりポイント還元も受け、特別な買い物はクレジットカードという使い方も良いでしょう。銀行内での信用が上がるというのも、一部の人にとっては嬉しいものです。
デビットカードではお金を借りることはできませんが、使い方次第では将来的にあなたの信用にプラスしてくれる可能性を秘めています。生活の中で上手に使いつつ、しっかり信用もつくっていきましょう。