家計の都合は人それぞれ。ちょっと苦しい時、メインで借りている金融機関以外を使ってみたくなるかもしれません。そこで気になるのは審査のことですね。
他社からの借入がある時、審査は厳しくなると言われています。実際、申し込み条件に他社からの借入について言及している金融機関も少なくありません。
審査に通るのは難しいかも…と思った時、ついつい他社借入について申告せず、誤魔化して新規申し込みをしたくなってしまう人もいるのではないでしょうか。しかし、それは決して選択してはいけない手段なのです。
他の金融機関に借入の申し込みを考える時、何よりも用心しなければならないのは、多重債務の状態に陥ってしまう可能性です。多重債務に陥ると、返済能力を超え、思わぬ苦境に立たされることがあるかもしれません。
複数の金融機関からお金を借りることは、特に悪いというわけではありません。しかし、返済するべき借入残高がある状態で他社から更に新規の借入をした場合、多重債務の状態だとみなされることになります。
キャッシングは非常に便利なもので、計画的に借入をしているつもりでも、多重債務によって利息が膨れ上がり、返済に困るケースが多く見られることも事実なのです。
このようなことから、借入残高がある状態での他社への新規借入申し込みは推奨できないものとなっています。
多重債務になっている人、あるいは今回の申し込みで多重債務になってしまう人の場合、新規の借入申し込みの審査ではどのような評価がされるのでしょうか。
多重債務となっていても、決して審査に通らないというわけではありません。ただ、返済に行き詰る可能性を考え、利用限度額を低く抑えられる可能性が高いことは確かです。
また、多重債務となってしまう場合には、最初から審査に通さない会社もあります。いずれにせよ、申込者本人の返済能力を厳しくチェックされることは間違いないでしょう。
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元金の返済だけを考えていると、多重債務になっても何とか完済できるのでは?と思う人も少なくないようです。しかし実際のところ、利息が膨れ上がり、返済に四苦八苦する危険が高いのが多重債務です。
複数の借入をするとそれぞれに金利がかかり、まとめて1社で借りるよりも利息が高くなります。借入金額によっては家計を圧迫することになりかねず、返済能力を超えてしまいがちなのです。
特に100万円以上の借入をする場合、多重債務状態は絶対に避けるべきです。消費者金融をはじめとした個人少額融資の金利は、100万円を超えると一気に低くなります。つまり利息も安くなるのです。
ただし、1社からまとめて100万円以上を借入するケースに限ります。
複数の会社で少額ずつ借入をし、合計で100万円を超えているのなら、高い金利がそれぞれ適用されたままで、結果として利息でかなり損をすることになります。
多重債務は禁止されているわけではありませんし、便利に、問題なく使いこなしている人もいます。しかし場合によっては利息の面で非常に損をする可能性、返済能力を超過する可能性があることを覚えておきましょう。
多重債務だとお金が借りにくい、または借りない方が良いのでは…という方向でご紹介して来ましたが、それでもやはり他社からの更なる借入を考える人はいるでしょう。しかし、そこで不安になるのは審査に通過できるかどうかですよね。
中には「他社借入があることを隠して新規の申し込みをしよう!」と考える人もいるかもしれませんが、申込先の金融機関を騙すことはほぼ不可能であり、あっさり審査落ちになってしまいます。
審査落ちになるだけならまだしも、意図的に金融機関を騙そうとしたと判断されてしまうと、今後の新規申し込みに悪影響が出てしまいます。金融機関からすれば信用できない顧客なのですから、当然と言えば当然です。
他社借入を隠して申し込みをしてもすぐに発覚する理由は、融資商品を利用している限り逃れられない、信用情報が深く関係しています。
金融商品に申し込んだり、審査通過後の利用・返済などの情報は、金融商品を提供している会社によって、信用情報機関に登録されることになります。つまり、申込者の借金の申し込みや利用状況が登録されているわけです。
審査の際、正規業者である限り、必ず信用情報機関の情報を参照します。この時に他社借入状況、借入残高についてもしっかりと調べられることになります。
例え申込書で他社借入や多重債務状態であることに嘘をついても、信用情報機関で情報を参照すれば、一瞬で分かってしまうものなのです。
各業者の情報登録は非常に速く、特に消費者金融が利用するJICCでは、遅くても当日中に登録が完了します。
誤魔化そうとするだけ無駄ですし、逆に信用を失うだけですので、やはり嘘をつくのはやめた方が良さそうですね。
基本的には誤魔化せない信用情報ですが、登録のタイミングによっては正確な利用状況が分からず、嘘の情報でも審査に通ることがないとは言い切れません。しかし、それでも安心することはやめておきましょう。
金融機関では定期的に信用情報機関にアクセスし、与信チェックを行い、顧客の利用状況などを把握します。この時に他社借入残高などもしっかり分かりますので、嘘の情報で審査に通っていた人でも、真実が知られてしまいます。
この時点で今後の借入が不可能となることが多く、返済だけを求められることになります。せっかくの借入先が完全になくなってしまうわけです。
借入が不可能になるだけならまだしも、強制解約や一括返済が求められることも珍しくありません。
一括返済となると、人によっては債務整理を視野に入れることになり、多重債務状態よりも厳しい経済状況になってしまうことがほとんどでしょう。
しかし、信用で成り立つのがキャッシングやカードローンといった個人融資商品です。最初から嘘をつき、信用に値しないと判断されれば、厳しい対応をされてしまうことは当然なのかもしれません。
多重債務が良くないことは分かっている、それでもどうしてもお金が必要なんだ!と言う時には、まず、現在の借入に対する返済を見直してみるべきでしょう。
一回ごとの返済額は決まっています。借入先に正直に相談し、一時的に返済額を減らしてみれば、多少楽になるでしょう。利息だけを返済できるかを交渉するのも良いかもしれません。
多重債務に陥る前にできることがあれば、全て挑戦してみましょう。中には精神的なエネルギーが必要な手段もあるかもしれませんが、多重債務で返済日に怯える日々を過ごすより、健全な生活を送れることは間違いありません。
任意整理は金融機関と直接、あるいは弁護士などの代理人と話し合い、利息や返済期間の都合をつけてもらうことです。しかし、状況によっては金融機関が拒否する方法でもあるため、実現できない人もいます。
そんな時には多重債務に手を出そうとせず、法的整理を目指す方向にシフトしましょう。
この3つはいずれも裁判所を通じての手続きになります。借金の減額、あるいは借金の帳消し(免責)を求めるものです。
裁判所が許可を出せば、借金の状況がかなり楽になります。多重債務に手を出すくらいなら、法的整理を目指すべきでしょう。
とはいえ、法的整理は金融機関側に損失を与えることになります。ブラックリスト入りは確実です。対象となった金融機関での借入は、今後不可能だと考えておいた方が良いでしょう。
法的整理をすると、対象の金融機関のブラックリストに載るだけではありません。基本的に、対象金融機関の同業社からの借入は当分不可能になると考えて差し支えないでしょう。
ここでも出て来るのが信用情報機関です。全ての金融情報が登録される機関ですので、もちろん債務整理に関する情報もすぐに登録されます。今後の審査に影響が出ることは想像に難くありません。
ただ、未来永劫新規の借入ができないというわけではなく、一定の期間が過ぎ、情報が削除されれば、問題なく新規申し込みを行うことができます。
とはいえ、債務整理を受け入れた金融機関独自のブラックリストからの削除は難しいもの。新規で申し込みができるようになっても、迷惑をかけた金融機関は避けた方が無難そうですね。
自分では返済ができると思っていたのに、気が付けば多重債務を考えるほどに追い詰められて…となった時、嘘をついて申し込みをするくらいなら、借金を綺麗にする方法を考えた方が断然おトクです。
消費者金融のキャッシング、銀行のカードローンなど、対象となる金融機関の商品はたくさんありますが、いずれも正直に相談すれば、必ず打開策を模索してくれます。逆に嘘をついてまでの借入は信用を落とすだけの結果に。
お金を借りることは悪いことではなく、生活に潤いを持ちたい時には最適です。しかし、多重債務を考えるほどの無理な借入は絶対に避けるべきでしょう。計画的に、そして正直に、借入と返済をこなしていきましょう。