銀行カードローンは一般的に金利が低いものが多く、消費者金融よりもおトクだと考える人も少なくありません。確かに金利が低ければ利息も安くなり、返済総額を抑えられるという魅力がありますね。
低金利は確かにおトクですが、銀行カードローンは時としてデメリットを含むことがあります。人によっては気にしないことかもしれませんが、急いでいる時には思わぬ壁にぶつかってしまうことも。
特に2018年からは、低金利以外の点にも注目すべき特徴が増えています。銀行カードローンのメリット、デメリットを詳細に知っておきましょう。
銀行カードローンと言うと、まず思い付くのはどのようなものでしょうか。銀行の名前が入った個人向けの商品が多いかもしれませんし、その考えはおおむね間違いではありません。
しかし、銀行が直接発行するカードローンと、銀行と同系統のグループに属するカード会社が発行する商品では、扱いが全く変わって来ます。
種類 | 内容 |
---|---|
銀行カードローン | 銀行が直接発行、管理する商品 金利は銀行系カードローンよりも低め 銀行法が適用される |
銀行系カードローン | 銀行ではなくカードローン会社が発行する商品 金利は銀行カードローンよりも高め 貸金業法が適用される |
法的に厳密な違いを見るとすれば、銀行カードローンは「銀行法」、銀行系カードローンは「貸金業法」が適用されるということです。いずれも金利や貸付金額に細かい決まりが定められています。
つまり、銀行系カードローンは銀行の名前を冠してはいるものの、銀行ではなく、消費者金融の扱いとなるわけです。
銀行カードローンとは全く違うものですので、気になる商品を見つけたら、銀行カードローンか銀行系カードローンなのかをしっかり確認しておいた方が良いでしょう。
銀行カードローンは、銀行が発行しているだけあって、利用者に対するサービスが消費者金融よりも幅広くなっているという特徴があります。
銀行カードローンの金利は圧倒的に低いと言っても過言ではありません。その分、使い勝手は消費者金融のカードローンに及ばないという評価もあります。金利と使い勝手のどちらを優先するかはライフスタイル次第ですね。
また、銀行では住宅ローンやカーローンなど、大型のローンを取り扱っています。
銀行によっては、大型ローンの利用者がカードローンに申し込むと、金利が優遇されるサービスを提供していることもあります。
もしも大型ローン商品を利用している、あるいは今後利用する予定がある人は、同じ銀行のカードローン商品を狙ってみると良いかもしれません。
銀行カードローンは銀行ならではのサービスが受けられる、銀行利用者には嬉しい商品だと言えるでしょう。
銀行カードローンのメリットを詳しく見て行きましょう。メガバンクと呼ばれる大銀行をはじめ、中小の銀行でも、大抵は自行のカードローンを発行しています。
それぞれのカードローン商品には特徴がありますが、共通しているメリットは以下のような項目が考えられます。
銀行カードローンは、当然ですが発行銀行のATMを利用して借入ができることがほとんどです。それが何?と言われそうですが、「借金だと分かりにくい」という第一のメリットがあります。
お金を借りることが悪いのではありませんが、何となく他人に知られたくないという感情を持つ人も少なくありません。銀行のATMならプライバシーを守りやすいということもメリットとして挙げられるのではないでしょうか。
また、最近ではカードローン専用のカードではなく、キャッシュカードをそのままカードローンに使うことができる銀行も増えています。
プライバシーの観点からすると、大きなメリットに数えられるでしょう。
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銀行と消費者金融のどちらのカードローンを使うか迷っている人は、代表的な違いを比較してみると良いでしょう。一番分かりやすいのは金利と利用限度額についての項目です。
金利 | 利用限度額 | |
---|---|---|
銀行 | 平均して3%前後~15%前後 | 法的な規制はない ※審査にて決定 |
消費者金融 | 平均して4%前後~最大18% | 年収の三分の一以内 ※審査にて決定 |
まず金利を比較してみると、最低金利がそれほど違わない気がします。しかし、最低金利は全ての人に適用されるわけではなく、限度額一杯まで一度に借入をした人のみが適用されると考えておいた方が良いでしょう。
そんな人は滅多にいませんし、まずそんなに大きな金額を借りるためには、何年も銀行や消費者金融を利用し、信用を積み重ねる必要があります。初めて申し込んだ人が利用できることはほぼ有り得ない金利です。
大抵は借入金額が少なければ少ないほど、金利が高くなって行きます。
最初は借入できる金額も少ないため、金利平均値の大きな数値を比較してみるべきであり、結果として銀行カードローンの方が圧倒的に低いことは自明の理ですね。
利用限度額(借入限度額とも)は、金利の比較よりも少々分かりにくいかもしれません。先に消費者金融の借入限度額について見てみましょう。
消費者金融では、年収の三分の一以上を借りることができません。貸金業法の総量規制で決められています。これなら申込者本人にも分かりやすく、事前に多くのことを予想できそうですね。
一方、銀行カードローンでは、法的には利用限度額の上限が明記されていないため、理屈としては何万円、何億円でも借りることができてしまうわけです。
銀行カードローンの利用限度額は法的な規制がないため、消費者金融で借入が難しくなった人でも、更に借りたいと思える存在だったかもしれません。
しかし、現在では銀行側の自主規制により、やはり年収の三分の一程度に抑えられることになっています。
法的な観点で言えば、消費者金融よりも銀行カードローンの方が大金を借りられるのではないかと予想できるのですが、実際に借りられる金額は年収の三分の一以内であると覚えておきましょう。
銀行カードローン、消費者金融共に、専業主婦が借りてはいけないという法律はありません。借入を考えている専業主婦の人にも門戸を開いています。
実のところ、消費者金融は専業主婦が審査に通ることが滅多にありません。本人の返済能力を徹底的に重視されるためです。
一方、銀行カードローンでは、「専業主婦の方も申し込めます」と明記されている商品があります。
配偶者の返済能力も重視する審査であることが多いため、幅広い層の人が申し込みが可能となっているわけです。
ただ、銀行カードローンでも、専業主婦の借入限度額は低く抑えられる傾向にあります。万が一配偶者の返済能力が落ち込んだ時、少しでもトラブルを避けるための処置だと考えておきましょう。
メリットが多い銀行カードローンですが、デメリットも把握しておきましょう。人によっては銀行カードローンよりも、消費者金融や他の借り方の方が良いと思うことがあるかもしれません。
銀行カードローンの最大のデメリットと評されることが多いのは、審査に時間がかかり、即日融資が基本的に無理だと言うことです。急いでお金を都合したい時には不向きだと考えられます。
消費者金融では即日融資を受けられることが多いのですが、それは消費者金融がお金の貸し借りに特化した経営内容であるからです。銀行では他の業務もあるため、中々カードローン審査だけに人員や時間が割けません。
消費者金融の審査も充分に厳しいものの、銀行の審査はそれ以上だと言われています。理由として考えられるのは、消費者金融の資金が元は個人のお金ということに対し、銀行は銀行利用者の預金が元になるということです。
銀行カードローンでの借入や返済は、基本的に銀行口座を通したものとなっています。振込での返済も可能ですが、多くの銀行では口座利用を推奨しているようです。
この時の利用口座を自行の口座として指定する銀行カードローンも多く、口座がない人は、利用前、あるいはカードローン申し込み時に口座を用意しなければいけないという一手間が必要となります。
他の銀行の口座が良い、口座を用意する時間がないという場合には、自行口座を指定している銀行カードローンを利用しにくくなってしまいますね。これも人によってはデメリットだと考えられます。
借入をすれば返済がつきものです。予定通りに返済ができるにこしたことはありませんが、何らかの事情でどうしても返済が遅れてしまうことがあるかもしれません。
銀行カードローンの返済遅れは、銀行ならではの低金利やサービス内容で利用できるだけあって、対応がかなり厳しいものだと言われています。遅延損害金の発生はもちろんですが、今後の返済そのものに影響することがあります。
中でも一番大きなデメリットとしては、未返済分の金額の大小に関わらず、全額一括返済を求められる可能性があるということです。
もちろん、全ての返済遅れに適用されるペナルティではありません。大抵は遅延損害金の支払いとなります。とはいえ、あまり払いたいものではありませんよね。
あまりにも返済態度が悪かったり、その他の理由で悪質だと判断された場合には、一括返済も視野に入れる覚悟が必要です。
借入額によっては絶望的な状況になりかねません。返済が滞る可能性がある人は、申し込み前に他の借入手段を考えてみた方が良いかもしれませんね。
銀行カードローンのメリット、デメリットを見てみましたが、あなたはどちらを優先するのでしょうか。まず考えるのは審査通過までにかかる時間かもしれません。それであれば、時間がかかりがちな銀行カードローンは不向きでしょう。
対して、時間に余裕があるとしたら、銀行カードローンならではの金利の低さや優遇措置に注目しましょう。消費者金融よりも利便性は下がるものの、一枚持っていれば安心できるのが銀行カードローンという存在です。
銀行カードローンと消費者金融のどちらを選ぶかはあなた次第です。メリット、デメリットを改めて比較して、よりスムーズな借入、返済ができる方法を選んで行けると良いですね。