決められた返済日までに入金ができなければ、残念ながら遅延損害金が発生してしまいます。契約約款に記載されていますので、どんな場合でも免れることができません。
借入金額によっては、ほんの数百円や数千円程度で済むのが遅延損害金ですが、やはり本来の返済金以外を支払うことは賢い借入とは言えません。おトクな借入をするためには、やはり避けるべきお金でしょう。
また、遅延損害金による損失はお金の問題だけではありません。遅延損害金が発生する状況がどれほどまずいものであるのか、借入の時には充分に理解しておく必要があります。
遅延損害金は、簡単に言ってしまえば「返済遅れに対する罰金、ペナルティ」のことです。返済が遅れたために貸金業者が損害を受けたとして、利用者に請求する性質を持っています。
決められた返済日に遅れてしまった場合、日割で加算されていき、大抵は次回の返済時、通常返済金にプラスして支払いをします。
日割で加算されていくため、返済が遅れれば遅れるほど遅延損害金が積み重なって行き、期日によっては利息を超えてしまう可能性がないとは言い切れません。
遅延損害金と言う言い方の他にも、延滞利息、延滞遅延金など、様々なものがありますが、内容は全て同様です。延滞してしまいそうな時には注意しておきましょう。
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遅延損害金は日割であるということから、単純に利息と同様の計算をしてしまう人も少なくありません。要は借入金利で遅延損害金を計算してしまう人もいる、ということです。
しかし、遅延損害金は借入金利とは異なり、遅延損害金専用の金利で計算されることになっています。
遅延損害金の計算金利は最大で20%です。金融機関、ブランドによって異なっていますが、借入金利よりもかなり高いことは理解しておきましょう。
2019年4月現在、いまだ過払い請求を行うことが可能となっています。過去に払いすぎたお金を返してもらうための請求で、これによって救済された人も少なくありません。
しかし、遅延損害金が発生していた場合には、遅延損害金を理由に過払い請求に応じない業者も存在します。
遅延損害金と過払い分が相殺できる金額であれば、過払い請求に応じる必要がないという主張がされるケースも報告されています。
ほとんどの消費者金融ではスムーズに過払い請求に応じているのですが、たちの悪いところでは、遅延損害金を自社に有利に利用する一面があります。これから過払い請求を考えている人は、その点も弁護士に相談しておきましょう。
金利が高いと言っても、借入残高が低額であるケースなら、実は遅延損害金もそこまで高額にはなりません。ただ、あまりにも返済遅れを繰り返していれば、総額で数千円、数万円になる可能性も否定できません。
消費者金融に限らず、金融商品には信用情報がつきものです。返済日に遅れず順調に返していけば全く問題ないものなのですが、遅延損害金を何度も発生させてしまうと、ダイレクトに信用情報が低下していきます。
遅延損害金を何度も発生させ、信用情報が低下すればするほど、次回以降の借入が難しくなりますし、他社で新規契約を結ぼうとしても、審査の時に不利な判断をされる可能性が非常に高くなってしまうことでしょう。
現在の法律では、返済遅れに対して執拗な督促を求めることはできません。利用者が恐怖やストレスを覚えるような行為は厳禁とされ、正規業者はその法律をしっかりと守っています。
しかし、一切督促をしてはならないというわけではなく、法的に問題のない方法で、遅延している利用者に返済を促すことが可能となっています。
遅延損害金の発生、つまり延滞を繰り返していると、悪質な利用者として消費者金融側にチェックされ、より確実な返済を求められるようになります。借りたものを返すのは当然ですので、仕方がないことだと言えますね。
自宅に取り立てにくるようなことはありませんし、電話で脅すようなことは決してありませんが、督促状や自宅電話への連絡で、家族に借金を知られる人も出て来るかもしれません。
借金は悪いことではありませんが、返済に遅れるような借り方をしていれば、家族に心配をかけてしまいます。本人のストレスも積み重なっていくことでしょう。やはり返済遅れは何ひとつトクをしないことが分かりますね。
返済に遅れても、遅延損害金さえ払えばいいんでしょう?督促状や連絡が来る前に払ってしまえば家族にも知られない!と考えることがあるかもしれませんが、実はこの考え方は非常に危険です。
新規の借入を認めるかどうかは、消費者金融側の判断にかかっています。
この時、より厳しい態度で臨む消費者金融であれば、たった一度の遅延でブラックリストに入れ、新規借入を停止する可能性があります。
新規で借入ができなくなれば、返済を続けるばかりとなり、不便やストレスをより大きく感じることが多くなることでしょう。それでも毎月返済日はやって来ます。そのたびに心が沈むのではないでしょうか。
また、遅延が度重なれば、強制解約となって一括返済を求められることもあります。業者によっては一度の遅延で強制解約、一括返済になることも。それほど返済遅れは厳しい目で見られるということを覚えておきましょう。
遅延損害金の発生を軽く考えているわけではないとしても、どうしても今回の返済が厳しい!という状況になってしまうかもしれません。また、先々の返済も厳しいと感じることになった場合も含め、どうするべきなのでしょうか。
最初に気を付けておきたいことは、無連絡のまま延滞をしないという点です。無断で返済日に遅れてしまうと、だらしがない、悪質な利用者として記録されてしまい、信用情報がガタ落ちになってしまいます。
返済が厳しいという予測が立ったら、まず消費者金融に必ず連絡をしましょう。そこで返済について相談を行います。
最も多い方法としては、「今回は利息だけを払う」というものであり、この場合には遅延損害金を発生させないとする消費者金融が少なくありません。
遅延損害金が発生しないということは、延滞扱いにならないということでもあります。即ブラックリストにはなりませんし、督促状や電話が来ることもとりあえずないでしょう。
ただ、全ての消費者金融が利息のみの支払いで対応してくれるわけではありません。それでも無断で返済に遅れるよりは、信用情報を保つ可能性に期待して、まずは急ぎで連絡をしてみましょう。
返済計画に失敗し、延滞を繰り返しているうちに、信用情報は地に落ちているはず。また、利用者側のストレスも相当なものになっていることでしょう。そんな時には無理をし過ぎず、任意整理を視野に入れてみるべきです。
任意整理は個人、あるいは依頼を受けた弁護士、司法書士が消費者金融などの金融業者と直接交渉し、完済を前提に、遅延損害金や利息についての融通を求めることです。
自己破産とは違い、借金が帳消しになるわけではありませんが、信用情報機関に登録される情報のランクを自己破産よりもずっと高いままに保つことができます。
もちろん、任意整理は先々の審査に影響が出る可能性が高いのですが、他の整理方法よりも信用の復活スピードが速い点、任意整理の完済そのものが新たな信用となる点には希望が持てるというメリットがあります。
ただ、全ての消費者金融が任意整理の交渉に応じてくれるわけではありません。元々任意整理は消費者金融の融通によるものであり、無理な時は無理、信用ができないと言われればそれまでです。
任意整理に応じてもらえなかった場合には、裁判所を通じた他の再生方法を選択することになって行くでしょう。
とはいえ、そこまで行けばもはや遅延損害金のカットでは済みません。完全な債務整理となり、性質が全く異なってきます。自分の返済状況、借入状況を考え、遅延損害金のカットか完全な債務整理かを選択していきましょう。
まだ一度も延滞していない、遅延損害金を経験したことがない、でももうすぐ返済に困りそう…と言う人であれば、任意整理よりも借り換えを目指しましょう。任意整理のように信用情報に大きな傷が付くことはありません。
借り換え、つまりおまとめローンです。以前は銀行の商品が有名でしたが、最近では消費者金融も積極的にリリースしている種類の金融商品になります。
消費者金融でのキャッシングは、貸金業法の総量規制が関係してくるため、借入残高によっては借り換えを最初から諦めている人もいるかもしれません。
審査に通るためには、やはり過去の返済態度が重要視されます。一度滞納すれば信用情報に傷がつき、審査が厳しくなることは疑いようがありません。滞納し、遅延損害金が発生する前に、借り換え商品を検討するべきでしょう。
尚、おまとめローンを始めとする借り換え商品は、月々の返済額が低くなり、ストレスを軽減することができる一方で、返済期間が長くなる傾向があります。申し込み前によく考えてみるべきポイントかもしれませんね。
返済遅れによる遅延損害金は、一見すればほんの数百円、数千円かもしれません。しかしその金額の裏で失われる信用は、中々回復できない貴重なものです。返済遅れをしないにこしたことはありません。
やむを得ず遅れる場合には、利息だけでも支払うように心がけましょう。延滞するよりはずっと良い結果に繋がるはずです。それでも苦しい時には任意整理やおまとめローンの出番かもしれません。
借入をした限りは必ず返済するのが消費者金融です。逆を言えば、返済するだけであなたの信用が増していく一面があります。社会的な信用にも繋がるのが金融関連の信用情報です。ぜひとも大切にしていきたいものですね。